裁きの日

どんなにいやだと思っていても、結局そうなってしまうことなんてよくある。
私だって本当は空港になんて帰宅はなかったし、飛行機にも乗りたくはなかった。でもなぜか羽田に着いてしまったのである。

京急『羽田空港国内線ターミナル』駅に着き、新東京国際空港第一ターミナルへと向かう。何というか、ターミナルはできることなら一つの建物にしてほしい。たまに飛行機を使うときに、うっかり違う方の建物に入ってしまうことがあるが、あれが本当に面倒なのである。国内では新千歳、羽田、成田、関空、伊丹は複数ターミナル。単一なのは中部、福岡、那覇。

中学生のころ、家族旅行で東京に来た時に羽田空港を利用したことがある。帰りに2泊3日で散々くたびれ果てたあげく、田舎者がやらかした。第2ターミナルに向かってしまったのである。第1と第2、動く歩道があるとはいえ二つのターミナルの間は約400m。最初に間違って第2ターミナルに行ってしまったことを考えると600m。
なんとも、生きている時間の無駄遣いである。

ただ東京に住んで4年、羽田空港駅を降りたら西に進めばよいことくらいわかっている。もうターミナルを間違えることはないし、鳥取向けのお土産も購入済みである。慌てることなど何もない。ただ堂々と荷物をカウンターに預ける手続きをし、手荷物検査の列の最後尾に並び、待合室の端っこでふん反り返るだけである。

 そんなことを思っていると、いつの間にか羽田空港に着いていた。自信に満ち溢れた体が、うつろな頭を上に乗せ人並の中を進む。山頂が見えると急に元気になる登山者の心境に似ているかもしれない。

東京湾の上の灼けるような埋立地からは蝉の鳴く声さえ聞こえない。

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